2017年 新作ブロンズ

籔内佐斗司が手がける新作ブロンズ作品の初お披露目です。
非常に人気のある童子コレクションから、《守銭童子は見ている》が出来上がりました。
8月8日から全国の籔内佐斗司作品取り扱い画廊、百貨店での予約注文を開始致します。
作品の納品は順次出来上がり次第となります。



作品名:守銭童子は見ている
限定数:88エディション
素材:ブロンズ
サイズ:H18.3 W14.5 D14.5cm






【作品購入の予約注文お問い合わせ】
《籔内佐斗司オフィシャルギャラリー『Y's gallery』》もしくは、全国の籔内佐斗司作品取り扱い業者さまへお願い致します。


知足 解説

「足るを知る」をことば通りに解釈すれば、「おのれの分わきまえて、満足すること」となります。
 このことばは、釈迦が臨終に際し説き遺したといわれる「遺教経(ゆいきょうぎょう)」のなかで、弟子たちが守るべき八つの徳目のひとつに挙げられています。
「足ることを知る者は、貧困であっても心が広くゆったりとして安らかである。足ることを知らない者は、富裕であっても心が貪欲に満ちてつねに不安定な状態にある。」に由来します。仏教ではつねに「執着」からの解脱を説きます。すべての苦悩は執着に発し、執着は欲から来る。欲は足ることを知らないこころから生まれます。
「知足」をより深く理解するためには、足ることを知ったことによって得られた「満足」の境地に執着することの罪も知らなければなりません。満足は決して慢心ではないのです。「悟りなんて一瞬のもんやで。気がついては捨てて、気がついては捨ててばっかりで、なあんも残ってへんよ。」さる老僧のことばが思い出されます。
「吾、唯足るを知る」のことばは、龍安寺の「蹲(つくばい)」で有名です。同じ図柄はあちこちにあって、仄聞にしてその成立や由緒は知りませんが「知足」がもとになっていることはわかります。銭のまんなかの四角い穴を「口」の字に見立て五、隹、疋、矢を配して、「吾唯知足」と読ませた愉快な智慧者に敬服します。
生きるということは、生かされていることだと気付かせてくれる「こぼすなさま」とともに、飽くなき欲を求める現代人に「知足」のこころを語りかける「禅機の童子」です。