7月27日から8月7日まで東大寺本坊で開催されていた「東京藝術大学が育む文化財保護の若き担い手達」展、および春日大社感謝と共生の館で催しました講演会及び鼎談は、予想を超えるご来場者数をお迎えして、盛況のうちに終了しました。

展示会には、荒井正吾奈良県知事夫妻をはじめ、奈良の寺院の僧侶方や万葉学者の上野誠奈良大学教授ほか、外国人観光客を含む大勢の方がお越しになり、熱心に作品や解説をご覧になりました。

 

また本坊正門前では、研究室スタッフが平成伎楽団の鹿坊面を被り、白丁衣裳に身を包んで木彫の実演をして、お客さまの呼び込みに一役買いました。鹿坊は、海外からの観光客に大人気で、100人以上の方から記念撮影をねだられたそうです。

 


8月4日(土)13:00〜16:30に春日大社感謝と共生の館で開催しました研究報告口頭発表および鼎談「東京藝術大学と文化財保護」は、東大寺別当・狹川普文さまのご挨拶を皮切りに、以下のメニューで行い、100人ほどお客さまが熱心に聴講されました。

1)白澤陽治(非常勤講師、漆芸・乾漆造)
   「奈良時代の乾漆技法―高山寺旧蔵両脇侍像の模刻制作を通して―」


2)鈴木篤(非常勤講師、木彫造)
「平安〜鎌倉期群像彫刻における木彫制作技法の一考察―東大寺十二神将像および室生寺十二神将像を通して―」

3)小島久典(教育研究助手、木彫造)
「鎌倉時代の菩薩像における彫刻制作の計画と変更について―東大寺中性院弥勒菩薩像の模刻を通して―」

4)山田修(特任准教授、3D計測・デジタル表現)
「いにしえの東大寺を『立体的』に眺める」
 

5)鼎談「東京藝術大学と文化財保護」
山崎隆之(美術史家、愛知県立大学名誉教授)、木下成通(美術院国宝修理所、本学客員教授)、司会:籔内佐斗司


イベント終了後は、奈良の老舗料理旅館「四季亭」ビアホールで、荒井知事夫妻や松本紘理研理事長夫妻らを交えて、懇親会兼打ち上げを行いました。



福島県磐梯町と奈良という徳一由縁の東西の真夏の二大イベントは、大成功裏に終了しました。関係者のみなさん、本当にご苦労さまでした。暑かったけれど、楽しかった。