WELCOME TO THE WORLD OF YABUUCHI Satoshi・sculptor

「Tさんとの対話」

【愛称決定にあたってのコメント】
〜2008.4.16〜

愛称「せんとくん」決定にあたって

 4月15日(火)に、ようやく話題の「あの子」の名前が「せんとくん」と発表されました。愛称公募への14.500通の応募のなかで、いちばん多かったものだそうで、とても呼びやすくかわいい名前だと思います。
 やっと彼も、平城遷都1300年祭の公式キャラクターとして本格的に活動を始めることとなりました。

 今回のマスコット騒動では、たくさんのひとたちがそれぞれに考え、思いを述べた結果として、この事業が全国的な知名度を獲得したことは万々歳と言えるのではないでしょうか。
 彼について、さまざまなご意見があったことは、作者として真摯に受け止めたいと思っています。また、人の心にはそれぞれの思いがあることを知るよい機会となりました。

 「おたがいの違いを尊重する」ということは、神仏習合を生み出した「和のこころ」そのものだと思います。そしてそのこころは、寛容と融和の智慧に尽きると思います。
 反対運動を展開してこられたみなさんはもちろん、県知事や協会や私たちも、「奈良を愛する気持ち」や「仏法を畏敬する思い」「1300年祭を成功させたい」という気持ちは同じだと思います。
 ですから、それぞれの好き嫌いの違いを認め合い克服しあったうえで、もう一段高いステージで、平城遷都1300年祭を盛り上げる活動を展開して頂けることを願っています。
 そういう意味で、地元の方が企画されているという独自キャラクターもたいへん楽しみにしています。

 1300年祭が、わが国の過去と現在と未来を考える知的興奮に満ちた催しとなるよう、「せんとくん」の活躍を、みなさんとともに見守りたいと思っています。
籔内佐斗司

【T】
〜2008.4.18 11:54pm〜

Tと申します。
以前もメールを送らせて頂きましたが、返事は頂いておりません。一言言って置きたいのですが、「この事業が全国的な知名度を獲得したことは万々歳と言える」なんて事を書かれると、奈良県人としては非常に気分が悪いですよ。奈良の住人としては、良い内容での知名度アップなら歓迎しますが、周りのほとんどの住人(他府県の意見も含め)が嫌な気分なのですよ!藪内さんも記念事業協会の方々と同じ「全く空気が読めない」人なのですね。この件については本当に辟易しています。個人的に藪内さんを責めるつもりはありませんが、この一連の出来事について、未だに「良かった、、、」なんてニュアンスの発言があることには、怒りを通り越して哀れです。ここまで空気が読めないなんて・・・


【籔内】
〜2008.4.20 10:07pm〜

Tさま

 メールを拝見しました。
以前に投稿を頂いたそうですが、「総括回答」を出してしばらくは、個別の返信を控えていましたので、そのころでしょうか?膨大なメールの対応に追われ、失礼してしまったかもしれません。ごめんなさい。

マスコットについて、Tさんのご意見は承りました。多くの方が違和感や嫌悪感をお持ちになったことは理解していますし、作家として真剣に受け止めています。
ただ私は、この騒動が持ち上がってから何度も文化財調査で奈良に出かけていますし、大きなお寺の会合やお茶会などにたびたび出席させて頂いています。その際に、地元の方(おそらく三〜四百人)がお話しになるご意見は好意的なものが多く、否定的なご意見はほとんどありませんでした。また初めはびっくりしたけれど、見慣れたらかわいくなったというご意見も多数頂きました。第一印象があまりよくなかったことは、私も認めていますが、そのお気持ちが変わる場合も多々あることも実感しています。

そして、愛称募集に14500件の応募があったことの重みも感じています。
また私のもとに届く投稿メールから判断しても、決して反対派が多数を占めているという認識を持つ根拠は見つかりません。賛否の割合は7対3で、擁護派が多数です。反対派の方には、一度に何十通と一斉送信してこられる場合もありました。
ネット上の賛否のグループでも、好意的なグループが反対派の倍の登録者を数えているそうです。(ネット上の数字にあまり意味がないとは思いますが)釈迦降誕日に京都仏教会の大きな会合に参列した折りにも、多くの僧侶のかたに激励されました。「奈良はうまいこと宣伝しはりましたなあ」というお言葉を、さる猊下から頂戴しています。
興福寺の貫首さまが、ウエブ版アスパラクラブにお書きになった文章はお読みになりましたか?

このように書いてみても、Tさんや周りのみなさんのお気持ちが和らぐとは思えませんが、私からは寛容の心を持って、見守って下さることをお願いするしかありません。
あの子のコンセプトは、日本人の「和のこころ」であるからです。
籔内佐斗司


【T】
〜2008.4.21 1:37am〜

お忙しい中、ご返信有り難うございます。
メールをちゃんと読んで頂いているのだと実感出来ました。
折角ですのでコメントを付けさせて頂きます。もしお忙しくて時間がなければ、返信して頂かなくても結構です。
また、私は藪内さんの作風をけなしたり、攻撃して楽しむ輩ではございませんのでそこのところはご理解下さい。一応私もこちらの芸大出身ですので、全くの素人と言う事もありませんから、ただ単に好き嫌いを論じているつもりはありません。本来なら、この様にメールをするような事も性格的にはあり得ないタイプの人間です。

> > メールを拝見しました。
> > 以前に投稿を頂いたそうですが、「総括回答」を出してしばらくは、個別の返信を控えていましたので、そのころでしょうか?膨大なメールの対応に追われ、失礼してしまったかもしれません。ごめんなさい。
> >
> > マスコットについて、Tさんのご意見は承りました。多くの方が違和感や嫌悪感をお持ちになったことは理解していますし、作家として真剣に受け止めています。
> > ただ私は、この騒動が持ち上がってから何度も文化財調査で奈良に出かけていますし、大きなお寺の会合やお茶会などにたびたび出席させて頂いています。その際に、地元の方(おそらく三〜四百人)がお話しになるご意見は好意的なものが

その様な会合やお茶会の席で、それも藪内さん本人の前で作品を否定するような事が出来ると思いますか?失礼な表現になるかも知れませんが、権威のある方に対して否定的なコメントを述べることは、なかなか出来ることではありませんよ!それも一般の方々がその様な場所で。空気を読んでください。
それに大きなお寺の会合となれば、藪内さんともともと面識の有る方々ではないのですか?馴れ合いだとは言いませんが、お互いに専門分野の事については、専門の方に任す・・・と言った様な関係ではありませんか?我々デザイン業界では、本当にユーザーの本音を調査するときは、ブラインドでやります。関係者のいない部屋の中で複数人で自由に語ってもらいます。それをマジックミラー越しに(ちょっと嫌な感じがしますが・・・)表情や身振り手振りまでも確認します。そこで当事者の本音が分かるのです。面と向かってなかなか本音を言えるなんて事は、普通の関係ではあり得ませんよ。
興福寺貫首様のご発言見ましたが、「ややしっくりこない印象だが、マスコットのことだし、そう深く追及することもない??まあ、ええのちゃう・・・」と、書かれていますよね。私からすればこの「まあ、ええのちゃう」が、私の言っている事に重なります。「専門の方がデザインしたマスコットなんやから、ええやんか!多少は変に感じても」って聞こえます。それに「マスコットのことだし」とありますが、これはマスコットのデザインを軽んじている発言ですね!藪内さん。「マスコット程度の事で何を騒いでるの?」って。工業デザイナーである私には全く理解出来ない発言です。こうなってくると「デザインの事なんか何も分からない坊主が何を言ってるんや!」って事になりますね。藪内さんもこの様な言い方をされて何とも思われないのですか?あなたのデザインしたマスコットを軽んじた発言ですよ!

> > 多く、否定的なご意見はほとんどありませんでした。また初めはびっくりしたけれど、見慣れたらかわいくなったというご意見も多数頂きました。第一印象があまりよくなかったことは、私も認めていますが、そのお気持ちが変わる場合も多々あることも実感しています。

もちろん本当に気持ちが変わる方も中にはおられるでしょうが、ほとんどの方々は「本当は嫌だが、その様に言わざるを得ない」ましてやその様な場所やご本人の前では。

> > そして、愛称募集に14500件の応募があったことの重みも感じています。

これは違いますよ!懸賞とはこんなもんです。たまたまこの件で話題になり、懸賞を知った人達が応募したにすぎません。もしも賞金が無しにも関わらず、これだけの応募が有ったのなら、それは凄い重みを感じるでしょうがね。
それに県外が7割ですか?無責任とは言いたくありませんが、懸賞金にひかれた結果じゃないでしょうか。県内7割なら私も藪内さんにメールする事が無かったと思います。

> > また私のもとに届く投稿メールから判断しても、決して反対派が多数を占めているという認識を持つ根拠は見つかりません。賛否の割合は7対3で、擁護派が多数です。反対派の方には、一度に何十通と一斉送信してこられる場合もありました。

藪内さんにたいして、誹謗中傷的なメールを送りつけている輩は問題外ですね。誰から見ても、おかしな連中ですね。この件については心中お察しいたします。
ですが、「賛否の割合は7対3で、擁護派が多数」これは失礼ですが、天地がひっくり返ってもあり得ない数字です。私の周りでは誰一人、良いと言った人はおりません!私の周りの者は奇人変人ばかりなのでしょうか?(20人位には聞きました)
そもそも藪内さんにメールを出すこと自体、おかしな事だと思います。本来なら、奈良県に対して言うべき事ですからね。私を含めて。賛否の割合は7対3で、擁護派が多数、、、に付いては、日本人は優しいので、筋の違う誹謗中傷を受けている藪内さんにエールを送られている結果だと思います。
攻撃のメールより擁護のメールの方が、第三者には出しやすいですから。それとこれは確認ですが、役所が出してきた答えをそのまま藪内さんが信じて確認もせずに7対3だ!なんて言っておられるのでは無いでしょうね?

> > ネット上の賛否のグループでも、好意的なグループが反対派の倍の登録者を数えているそうです。(ネット上の数字にあまり意味がないとは思いますが)

平城遷都1300年祭を救う会が、街頭でのアンケートをとりましたよね。この結果では、20対101と言う結果が出ています。この結果は嘘だと?それに前述しましたが私の個人的な調査結果では、0対20です。

> > 釈迦降誕日に京都仏教会の大きな会合に参列した折りにも、多くの僧侶のかたに激励されました。「奈良はうまいこと宣伝しはりましたなあ」というお言葉を、さる猊下から頂戴しています。

他府県の方々の意見は参考にはなりません。責任も何もありませんからね。イベントの事だけをとらえれば、そりゃ宣伝にはなったでしょうから嘘ではないです。ただ、地元に住んでこれから関わって行かなくてはならない当事者にとっては、良い内容にて宣伝になって欲しかった。極端な話、犯罪者の街として奈良の知名度が上がったとしたら、地元の人間にとっては死活問題になるかも知れません。でも他府県の人間にとっては、「怖いから行かんとこ!」って事でおしまいです。これは奈良のイベントですから、地元の人間が受け入れないことには、良いイベントとして成功するとは思えません。

> > 興福寺の貫首さまが、ウエブ版アスパラクラブにお書きになった文章はお読みになりましたか?
> >
> > このように書いてみても、Tさんや周りのみなさんのお気持ちが和らぐとは思えませんが、私からは寛容の心を持って、見守って下さることをお願いするしかありません。

これだけは言っておきたいのですが、藪内さん自身やその作風を否定しているのではありません。1300年祭のキャラクターとしては、奈良県人の多く(ほとんど)がそぐわないと言っているのです。最大の問題は、遷都1300年事業協会のやり方が間違っていたことです。不透明な姿勢、全く空気が読めていないそのやり方、対応等、今の時代これだけ役人の資質が問われているにも関わらず、ほんとに言葉は悪いですが、奈良はバカな役人ばかりか!って言いたい。

> > あの子のコンセプトは、日本人の「和のこころ」であるからです。

日本人として和む心があるなら、間違いを素直に認め、再考する事に何か問題が有るのでしょうか?
長々と書いてしまいました。(文才が無いので3時間以上かかりました)
失礼な表現や言葉足らずなところもあるかと思いますが、私の気持ちを(地元の)知って頂きたいが為のメールです。何卒ご理解下さい。
ありがとうございました。

T

【籔内】
〜2008.4.21 9:34am〜
Tさま

たいへん真剣なお返事をこころして拝見しました。
そして、いささか感情が先走っておられることが、文面から感じられましたの で、どのようにお答えすべきか困惑しています。

いくつか疑問に思ったことのみ書かせて頂きます。
最近、私が奈良でお目にかかったみなさんの多くは、大半は旧知の方ではありませんし、私の権威(そんなものが私にあったとして)に媚びるような方々ではありません。
つぎに、そうした場所や投稿メールから受けた私の印象を公正なものではないと 批判されておられますが、みなさんが行っておられる街頭アンケートやあなたの周りの意見聴取は、ブラインド方式によるマジックミラーの向こうからの観察をされた結果だったのでしょうか?
テレビで街頭アンケートの様子を見ましたが、まず自分たちは白紙撤回を求めている反対派であることを明確にされたうえで、アンケートやシールを貼り付ける形式の意見聴取を行っておられましたが、このことはTさんのご意見と矛盾し ないのでしょうか?

また多川貫首の軽妙なご発言は、「(世界の仏教界には)もっと重要なことがあるのではないか?」という警句を婉曲的な問いかけで表現されていると解釈しています。貫首さまは、現代の学僧のなかでも飛び抜けた知性と行動力を持った方であると、私は尊敬しています。

重ねて申しますが、私は意見百出している現在のマスコット騒動を肯定的に見ています。
それは、多くの方々が、それぞれの立場からこの問題を考えられたことは、知的活動への呼び水になると信じているからです。私自身も、多くの反対意見を知ることによって、たくさんのことを学びました。
先日、大阪府立大の先生が、今回の騒動についての新聞とテレビの露出度から14 億いくらかの宣伝効果と試算されていました。数字の正確さはさておくとして、 これも前向きに評価できる材料と考えることはできないでしょうか?

平城遷都1300年祭は、主催は奈良県ですが、わが国の歩んできた時間と今とこれからを考える大切なイベントであることは、知事も協会も、もちろん私も共通に認識していることです。数ある自治体イベントとは、その重みが違うということを、最初から感じていました。
実は京都の政財界と宗教界は、わが国の歴史と精神文化を共にになってきたという思いから、すでにこのイベントへの積極的な協力と援助を申し出ておられます。
この1300年祭を大きな成功へ導くためにも、賛否それぞれの意見を踏まえた上で、さらに高い次元での発展的な話題づくりが行われることを願っています。

「心外無別法(しんげむべっぽう)」という仏教の言葉があります。
その意味は、「すべての事象と現象は、それを受け取るヒトの心にのみ生起されるものである。したがって、その人のこころのありようが変われば、同じものが全く別の様相を呈する。ゆえに、その器である己の心は清浄でなければならない。」
今回の騒動にあたり、もっともこころに響いた仏のことばでした。

このように書いてきても、Tさんのお怒りが薄らぐことはないかもしれませんが、あなたがまわりの若いひとたちに接するお立場であれば、私のこの気持ちをお伝え頂きたいと思っています。
籔内佐斗司

【T】
〜2008.4.22 4:11am〜
Tです。お忙しい中、ご返事有り難うございます。
私と違い色々と大変でしょうから、もうメールを出すのは止めようかと思いましたが、はっきりしておきたい点もございますので、返信させて頂きました。
メールではなかなか思いが伝わらないでしょうけど、書かずにはおれません。
もしお返事を頂けるのなら、質問に対しては明快なご返答を頂きたく。


【籔内】
〜2008.4.22 8:45am〜
Tさま

メールを拝見しました。

今回のあなたのご質問については、今までにも私は言葉を尽くしてお答えしてきたつもりです。
あなたがご意見を訊かれた方々の意見は尊重しますが、せんとくんに素直に好意を以て受け容れて下さっているたくさんの方々のご意見を、私は大切にしたいと思います。
残念ながら、これ以上あなたとのメールのやりとりをする意味を見つけることができなくなりました。
あしからずご了承ください。
籔内佐斗司


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