今あなたは1Fの「日本の昔話と神話の世界」で作品を御覧になっているところです。 |
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1998 H.30cm 檜、漆、顔料 |
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お寺の便所の入り口に「おんくろだのう うんじゃく」と書かれたお札を見かけることがあります。これは、烏芻沙摩明王という穢れを浄化する霊力を呼び出す呪文です。すべてのいきものは水と空気とほかのいきもののからだを喰らい、糞と尿を排泄して生きていかなければならない「業(ごう)」を背負っています。そして、ほとんどのいきものは自分たちの排泄物と平気で暮らしていますが、ヒトだけがこの「業」に気付いてしまい、そのときから糞尿を遠ざけようとするようになったのでしょうか。ちょうどアダムとイブがヒトとしての知恵を獲得したとたんエデンの東へ追放になったように。 さて、このこぼすな様は烏芻沙摩明王のご子息で、竹ぼうきを手にひとびとの跡始末のようすをじっと見つめていらっしゃいます。そしてわれわれが便所で用を足すときに、あとから使うひとのことや掃除をして下さるひとの心を思い、ひいては糞尿の因縁や生かされていることを自覚する機会を与えてくれるありがたい童子さまなのです。 |
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