〈西念寺阿弥陀如来坐像〉
次に、茨城県の西念寺の阿弥陀如来坐像の修復事業です。茨城県指定文化財の本像は、平安時代末に造られた像ですが、後世の粗悪な修復によって当初の姿からかけ離れた印象になっていました。後補の両手先も非常に拙劣なもので、面部も分厚く補修がされていましたので、それらを丹念に解体し、当初部分と後補部分を分別し、後世の漆層をすべて除去すると、見事な十二世紀の阿弥陀如来像が姿を顕しました。この写真の白っぽい部分が新しく補った部分です。それに古色を付けて馴染ませて、このように面目を一新したお姿でお返しすることが出来ました。
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