「平成伎楽団(へいせいぎがくだん)」とは、2009年に結成された籔内佐斗司プロデュースによる仮面芸能の集団です。

 籔内佐斗司は、自身の作品を『和魂(にぎみたま、やわらぎのこころ)』の“よりしろ”として、幸せの活力を発散することを目的に制作しています。仏教のことばでいえば『和顔施(わがんせ)』。そんな功徳のひとつとして、みなさまに作品を通じて幸せを伝えたいと願っているのです。
 そして若き日に出会った謎の仮面・伎楽面に魅了されて以来、いつかは彫刻作品を超えた表現形式を創りだすことを願い続けてきました。
 それが2009年についに「平成伎楽団」として実現し、同じ時期にデビューした着ぐるみ「せんとくん(注)」のファミリーとして注目を集めたのはご存じの通り。

 「平成伎楽団」は、形式にとらわれないさまざまな演者によって展開していきます。仮面と装束というハードと、演者というソフトと、演じられる現場の力が三位一体となって生み出される即興性の高い表現が見所です。
 すでに、「振り産み師」を自称する南流石(みなみさすが)氏率いる「流石組」や「お豆腐狂言」で知られる大倉流茂山狂言の「茂山組」、先鋭的なダンサーたちが繰り広げる「あめのうずめ組」などが活動を開始しています。
 ユーラシアの悠久の歴史のなかに生まれ消えていったさまざまな芸能や文化の遺伝子を持って誕生した「平成伎楽団」は、芸能の原点であり、またまったく新しいエンターテインメントです。天平人を魅了した「伎楽」の遺伝子を持った彼らが繰り出す融通無碍なパフォーマンスを、大いにご期待ください。







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