『月刊美術』1998年5月号掲載
籔内佐斗司(彫刻家)
もちろん実際の作業や素材はもっと複雑で、言葉だけで説明するのはとてもむつかしいことです。そしてひとつひとつの工程は、職人さんの根気のいる手仕事の積み重ねで出来ていきます。ブロンズの着色は、おはぐろや漆の焼き付けや鍍金(めっき)・箔押しなどで行います。鋳造所の上手下手は、まず雌型の制作、そしてバリ取りなどの修正と最後の着色の技術によって決まります。