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「一奈良県民さんとの対話」 |
〜2008.4.27 4:11am〜 拝啓 藪内様 平城遷都1300年祭マスコットキャラクターの件につきまして、協会からの発表時から県民のひとりとして真剣に考え、事態を見守っておりました。 さて、そもそも私がキャラクターの件につきまして真剣に考えるようになったのは、当時、小学校4年になる娘が、このキャラクターを見て言った言葉にショックを受けたからです。 「この子、頭から角が生えて来てかわいそう。なんでこんなことになったの? なんとかしてあげられないの。」 私の娘が特に強い感受性を持ち合わせているのかも知れませんが、仏教や宗教的な思想、芸術について何の知識も持ち合わせてもいない純粋な子供の意見に、親として返す言葉が見つかりませんでした。 これから先、他県に住まれている方は意識的に探さないと見られないでしょうが、県内ではきっと至る所でこのキャラクターが使用され、子供たちも好むと好まざるに関係なく、否応なしに目にすることとなるでしょう。 私は我が娘の悲しそうな、泣きそうな顔をして言った言葉の重みを大切にしたいと思います。 もし叶うならば、何卒キャラクターデザインの再考をご検討いただけますよう切にお願いする次第です。 藪内様のHPにございます「平城遷都1300年祭マスコットキャラクターに関するお問い合わせに対する総括的なご回答」の「2) デザインコンセプト」に使用されております鹿の背に乗る童子の像、とても可愛くて神秘的で素敵で、そしてなにより奈良らしさが感じられ、可能ならば是非手に入れたいと思いました。 〜2008.4.27 10:40am〜 一奈良県民さま メールを拝見しました。 私は、平城遷都1300年祭が、わが国の歴史と現在とこどもたちへ渡す未来を考える知的な催しになることを願っています。子ども達に媚びを売るだけの幼稚なおまつりではなく、彼らの知性と感性の成長に寄与するものであって欲しいと思っています。 もしあなたが、いわゆる日本の仏法に親しみをお持ちでしたら、次のような観点からせんとくんを見守ってあげるよう、お嬢さまにおっしゃっていただけませんか? 「かわいそう」とおもう気持ちは大切だけれど、それが「自分たちと同じすがたかたちでない」という理由から「かわいそう」と思うことのないように。 以下はお嬢様へ、せんとくんからのメッセージです。 ○○さんへ 今からおよそ1500年まえの日本人は、それぞれのご先祖である氏神さまや、太陽や月や山や川などのそれぞれに土地を守る大自然の力(それを神さまと呼びました)を畏れ敬う気持ちを持っていました。そこへ、2500年前にインドで興り今のアラブ地方を通って中国で大きく広まった仏教が、1400年前の飛鳥時代に朝鮮半島から伝えられました。 今から1300年まえに、奈良市は平城京というわが国の首都になりました。すなわち天皇さまが住んで、この国の政治と文化の中心地になったわけです。そのとき、大きなお寺が次々に造られました。東大寺や興福寺、元興寺、薬師寺、大安寺などなどです。そのころのお寺は、今でいえば仏法を研究する大学のようなものでした。 すこしむつかしいお話しだったかもしれないけれど、ぼくのすがたの意味を理解してもらえたら嬉しいな。そして、これから2010年に向けて、ぼくのたくさんのなかまがいろんな姿になって、このお祭りを応援にやってきます。楽しみにしていてくださいね。 せんとより |
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