記紀神話に「塞の神(さえのかみ)」あり。伊弉諾尊の、黄泉の国より逃げ返る時、追い縋りし黄泉醜女(よもつしこめ)に投げつけたる杖より成れる神なり。後に悪霊や疫病の村落への侵入を防ぎ、旅人の安全を守る「道の神」としての性格を持つにいたれり。また地蔵尊や唐国渡りの道祖神などと習合され、路傍の小さき石像として深き信仰を集めし例え少なからず。 この「塞の坊」は、「塞の神」の権現(ごんげん)にて、諸厄、災難を追い返す家内守護の童子ゆえ、玄関、勝手口、鬼門などに安置なせば、そのご霊威の顕現必定なり。
善哉、善哉。
佐の字敬白