「彫刻文化財の保存と修復の現場から 
小野寺久幸 〜仏像修理50年〜」

金剛力士像阿形

金剛力士像吽形
『東大寺 南大門 金剛力士像修理完了後(修理期間:阿形、平成3〜4年度/吽形、昭和63〜平成2年度)』
今回は財団法人美術院【注1】にて長年所長を勤め、主に国宝・重要文化財の仏像修理の陣頭指揮を執って来られた小野寺久幸先生を紹介します。これまで先生が関わった修理件数はおよそ一千躯に及び、その多くが国宝・重要文化財に指定された仏像です。現在も美術院常務理事として後進の育成と指導にあたられている先生に、戦後の修業時代のことから、東大寺南大門の仁王像をはじめとした文化財修理のこと、また興福寺の乾漆阿修羅立像等の模刻事業のことなど、半世紀もの修理人生を美術院の歴史に重ねてお話いただきました。

聞き手:堂本寛恵(どうもと ひろえ)
1973年千葉県生まれ。東京芸術大学 大学院 文化財保存学 彫刻修了。
現在、仏像制作を中心に古典彫刻の研究活動を行う。
平等院雲中供養菩薩像模刻プロジェクトアシスタント。
主な収蔵作品:京都 六波羅蜜寺 空也上人模刻像/千葉 玉王山寶珠院 日光・月光菩薩像ほか