2008年3月1日(土)

神宮美術館講演「美術表現としての火」

人類と火)

 ヒトとヒト以外の動物を区別する際に、道具を使うか使わないかで分けようという考え方があります。しかし最近の、動物行動学の進歩によりまして、必ずしもそうでないことがわかってきました。
 単に道具を使うというだけなら、ヒト以外の動物も使います。
 チンパンジーは、木の枝を用いて穴の中の蟻を取って食べますし、猿同士が争うときには、木の棒を振り回して相手を威嚇することもわかってきました。ある種のお猿さんは、木の穴などに穀物を集めて自然発酵させ、お酒のようなものまで作って楽しんでいるそうですし、教えれば幼児程度の絵を描くことも確認されています。
 蛾の幼虫は、蓑虫のようにさまざまな材料で自分の身体を覆って身を守りますし、鳥は雛を育てる巣をいろんな材料を使って上手にこしらえます。
 都会のカラスは、適当な木の枝が見つからないときは、洗濯物についてくる針金のハンガーをゴミの中から探してきて、足と嘴を使って上手に曲げて巣を作っています。
 猫は、毛糸玉で獲物を捕る稽古をすることはよく知られていますし、犬はおもちゃをくわえてきて、遊ぼうと誘います。彼らなりに、道具と材料という認識があるのだと思います。
では、何を以てヒトと動物の区別をするかというと、「火を使う」ということになるようです。積極的に火を使おうとする動物は、いまのところヒトだけのようです。すなわち人類だけが、火とともに歩んできたといえます。
 今年の勅題の「火」について考えることは、ヒトの永い歴史と営みについて考えることにほかならないように思います。

【人類と火】

 150万年前の東アフリカの原人の遺跡から、樹木や木の葉を燃やした灰の堆積層の発見

継続的な火の利用と管理


人類にとっての火の効用

1) 夜の闇からの解放する
2) 他の動物から身を守る
3) 寒さから身を守る → 生活圏の拡大
4) 食べ物を加熱する → 食事の多様化、食物の保存
5) 土器の制作 → 文明の発生
湯を沸かす → 食物の煮炊き → 食事の喜びと快楽
土器に保存する → 財産の発生
    6)動物性、植物性油脂の利用 → 明かりと燃料の発生
7) 炭、石炭、石油の利用 → 産業の飛躍的発展
8) 火薬の発見、原子力の火

 150万年前といいますから、まだ猿とヒトの中間のような人類しかいなかった頃でありますが、アフリカで発掘されたその頃の人類の遺跡からは、すでに樹木や木の葉を燃やした灰の厚い堆積層が発見されているそうです。すでに150万年前には、継続的に火を管理しながら利用していたらしい事がわかってきました。
 人類にとって火の効用は、いくつも上げることが出来ます。
1)まず暗闇を明るくすることができますから、夜を畏れる必要がなくなりました。
2)火を燃やしていれば、他の動物は近づいてきませんから、安全が確保されます。
3)そして寒さから身を守ることができるので、より寒い地域へと生活圏を拡大することもできました。
4)食べ物を火で焼けば、大変食べやすくなりますし、美味しくもなります。また食品の衛生面と保存性も高まります。
5)粘土を焼くと、堅くなって水に溶けなくなるということに気がついた人類は、土器の制作を始めました。それが、最初に文明と呼べる営みの発生した時であると言えると思います。
土器ができれば、水をお湯にかえることができ、煮炊きが出来るようになります。そして食べ物を摂取するということが、空腹を癒すだけでなく、生きることの喜びと快楽へと変貌していきます。また土器のなかに物を貯蔵することによって、財産という概念も生まれてきたわけです。窯のなかで木を不完全燃焼させれば炭が出来ます。炭の使用は、木を燃やす以上の大きな熱量を手に入れることができます。しかも火を自在にあやつることができるようになりました。そして炭をつかって、石のなかから銅や金や鉄などの金属を取り出す方法を知った人類は、文明を飛躍的に発展させることができたわけです。
6)水を掛ければ火は消えますが、動物や植物から採取した油脂を火にくべると燃え上がります。
7)やがて、燃える石である石炭とか、燃える水である石油を知って、飛躍的に産業を発展させ、ついに20世紀には、太陽と同じ温度を持った原子力の火まで手に入れてしまったわけです。
 こうした火の不思議な力に対して、古代から現代にいたるまで、ひとびとは超越的な力、すなわち神々の力を感じてきたわけです。

【大自然の火】
恩恵と災厄

太陽熱による災厄 → 干魃、火災
天空のエネルギーが大地に降りた火 → 落雷
大地のエネルギーが噴出した火  → 火山の噴火

神の怒りと懲罰

宗教の発生

 神は、恩寵とともに、抗いがたい怒りを現し、災厄という罰を与えると古代の人々は考えました。
 大自然において、夏の暑い日に、自然発火した枯れ草や落ち葉が延焼して、大地を焼き尽くすこともあったでしょう。
 雷鳴が響き渡って、稲妻が樹木に落ちて燃え上がり、その火が飛び火して山火事となることは日常茶飯事でした。近頃アメリカや東南アジアで起こった山火事が、甚大な被害を出していることを思うと、古代の人々が森林火災や山火事をどれほど恐れたか容易に想像がつきます。
 また大地が鳴動し、山が爆発して火を噴き、溶けた岩が流れ出し、焼けた石が飛来して森を焼きつくすこともあったと思います。
 これらを古代のひとびとは、太陽や天空の神々、また山や大地の神々の怒りと感じたことと想像されます。こうして、火には実用的な側面とともに、常に宗教的な側面が強調されることとになりました。

【ヒトが創りだした火】
物の中に込められていたエネルギーを取り出す。

1)火打ち石
2) 摩擦熱
       3) 火薬 硝石+硫黄+木炭
  4) 原子力の火

 石器時代の人々は、石を打ち割って道具を作りました。そのうちに、ある種の石を撃ち付けると火花を発っすることを知りました。その火花を、木くずや枯れ草に移すことで、人工的に火を得ることを知ったわけです。また木をこすり合わせる事による摩擦熱からも、火を得る方法を知りました。
 硝石という酸素と反応しやすい結晶成分がありますが、この硝石を地面に多く含んで入る地方が、中国にあるそうです。その硝石に硫黄と炭素を混ぜると、爆発的な燃焼を起こすことを中国のひとが知ったのは8世紀のころだといわれています。こうして、自然界には存在しなかった火薬という恐ろしい火を、ヒトは手に入れてしまったわけです。
 火薬を手に入れたことが、人類にとって幸せであったのか、不幸せであったのかは、「原子力の火」とともに、にわかには判断できないところです。

【信仰としての火】
 ともかく、このように人類は「火」とは切っても切れない縁があり、その不思議な力に対し恐れと敬意を持って、信仰や芸術表現へと昇華させていったのであります。
紀元前1000年ころといいますからおよそ3000年前のことですが、自然現象のそれぞれに神々を見る自然宗教から、はじめて一神教が生まれたと考えられています。それぞれの自然現象はそのすべてを包含する法則に従って生起されているとしたわけです。それは今のイランにあたるメソポタミア地域にいたゾロアスターという宗教家が体系づけました。ゾロアスターは、ドイツ語読みにするとあの有名なツアラトストラです。
 その法則の根源を、「光明神(ひかりかがやく存在)」すなわち「太陽」であるアフラマヅダーとし、そして地上に舞い降りた分身である「火」を礼拝の対象としたことから、拝火教と呼ばれました。ゾロアスター教において、主神・アフラマヅダーの威光には、太陽の光が日向と日蔭を生むように、善と悪のふたつの性格があって、それぞれが争う事によってこの世が推移すると考えていたそうです。主神とその異なった性格を表すふたりの脇侍がいる構図は、仏像の一光三尊形式を連想させます。また、善神と悪神の戦いは、まるで中国の陰陽思想や、古代ヒンドゥー教や仏教における帝釈天と阿修羅の戦い、キリスト教の大天使ミカエルと悪魔メフィストフェレスの戦いやハルマゲドンののちの救済思想、を連想させます。
 このようにゾロアスター教は、その後の多くの一神教の形成に大きな影響を与えたと考えられます。エジプトで多神教から太陽神を最高神とする一神教へ宗教改革したことや、ギリシア神話の太陽神アポロンの創出なども、ゾロアスター教との関連が想像されます。
 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教も、間接的にはゾロアスター教の教義に影響を受けたといわれています。古代インドの宗教においては、ゾロアスター教の神は、破壊の魔王へと変貌させられました。
 火を拝むゾロアスター教は、日本人になじみがないようでいて、じつは身近なところにその片鱗を見つけることができます。

【マツダランプ】
 むかしマツダランプという電球がありました。アメリカの電機メーカーがその
名前で電球を作って、日本でも東芝電器がマツダランプの商品名で製造販売していましたので、ご存知のかたも多いと思います。自動車のマツダも、このアフロマヅダーのMAZDAと同じ綴りでゾロアスター教の神の名からきていると聞いたことがあります。
 ちなみにアフラマヅダーを表す記号は、「有翼日輪」といわれ、太陽を中心に
左右に鳥の翼を描いた図様です。太陽の日食の時に見られるコロナ現象を図像化したものと考えられています。

【卍紋、鈎十字】
 またこれを単純化したと思われるものとして、サンスクリット文字にもあるま
んじ紋です。地図上ではお寺の印ですし、ナチスドイツのハーケンクロイツにも使われていました。もちろん、ナチスとゾロアスター教とは直接関係はありませんが、この「有翼日輪」がトロイの遺跡から発見されて以来、右卍文は、ヨーロッパでは、インドヨーロッパ語族に共通するの宗教的シンボルと見なされるようになったようです。
 ここらあたりのことは、東北大学名誉教授の斎藤尚生さんによる中公新書「有
翼日輪の謎」に詳しく出ておりますので、ご興味おある方はご参考までに。

神道における火の神々)

 古代の日本には、かなり早くから道教や拝火教が入っていたのではないかと思います。宗教観や世界観は、ひととともに伝播しますから、中国大陸から人が移住してくれば、当然彼らの宗教も付随してきたことでしょう。
 古事記や日本書紀には、みなさまよくご存じの伊弉諾尊と伊弉冉尊のおふたりが、この大八州を形成する神々を産んでいく奇想天外な神話があります。伊弉冉尊が火の産びの神であるカグツチ(火産霊)をお産みになったときに陰部に大やけどを負われお亡くなりになり、お怒りになった伊弉諾尊がカグツチを殺してしまうという、いささか悲劇的な話であります。しかしカグツチの血液や肉体から多くの神々が産み出されていく様は、現代人では想像することもできないシュールな表現であり、おおらかな逞しさに溢れています。また火が生み出す無限の可能性を表しているようにも思えます。
 黄泉の国からお帰りになった伊弉諾尊が、穢れを水で浄めたときに、月の神であるツクヨミノミコトと、荒ぶる神であるスサノオノミコトとともに、天照大神がお生まれになったということですが、日、月という天空の神々よりも火の神が先にお生まれになったことは、たいへん興味を引くところです。
 記紀神話については、私のような素人より、みなさまの方がよくごぞんじのことと思いますので、このへんにしておきます。

 仏教が入ってからの神仏習合の時代になると、火之神は竈神である三宝荒神があります。

 三宝荒神(三面または八面六臂)の三宝とは仏・法・僧のことで、屋敷の守護神であったものが、近世になって竈神になったとのことです。
 荒神(仏法の守護神、明王、夜叉、羅刹)という呼び名から、荒霊を連想するのは的はずれでしょうか?

 中国における自然観や世界観として、「五行思想」という考え方があります。紀元前4〜3世紀の戦国時代頃に成立したものです。
【五行相関図】
 
この世は、木・火・土・金・水の五元素から成るとする考え方です。これに陰陽思想の要素が加わって、「陰陽五行説」といわれるように成って、占いはもちろん、さまざまな中国の古代科学の基礎になりました。
 この図の相生と相剋の関係がうまくいって、この世が循環すると説きます。
 あんまり五行思想に深入りしますと、「火」から遠ざかってしまいますので、私たちに関係のあることだけお話しします。

【五行思想】
五行           五獣  五節句      五感 五塵
木   青  東  春  青龍  人日(1月7日) 眼 色
火   紅  南  夏  朱雀  上巳(3月3日) 耳 声
土   黄  中  土用 黄龍  端午(5月5日) 鼻 香
金   白  西  秋  白虎  七夕(7月7日) 舌 味
水   黒  北  冬  玄武  重陽(9月9日) 皮膚(身) 触

太陽(日)
太陰(月)

【五行の関係】
相生(陽の関係)
木生火;木は燃えて火を生む
火生土;火が燃えたあとには灰が残り、土に帰る
土生金;土からは金属が生じる
金生水;金属の表面には水が生じる
水生木;水によって木は養われる

相剋(陰の関係)
木剋土;木は土に根を張って、養分を吸い取る
土剋水;土は水を濁らせ、堤防となって水をせき止める
水剋火;水は火を消し止める
火剋金;火は金属を溶かす
金剋木;金属の道具は木を削り傷つける

比和(同じ気が重なるとますますその気は、良くも悪くも盛んとなる)
相侮・反剋(相剋の関係が崩れた状態)
相乗(相剋の状態が激しすぎる状態)

神道における五行)

ククノチ命=木徳、カグツチ命=火徳、埴安姫命=土徳、金山彦命=金徳、ミヅハメ命=水徳

火の祭)

【修二会】
 
奈良の東大寺さまでは、ただいま修二会の真っ最中です。
 修二会とは二月に修する法会という意味です。お釈迦さまが涅槃に入られた日は、2月15日といわれていますので、おそらくそのことと関係しているのではないかと思います。現在は新暦になりましたから、修二会の本行は3月に行われます。
 二月堂の本尊である十一面観音に悔過(懺悔)することが中心の法要でたいへんな荒行と聞いております。8世紀から一回もとぎれることなく続いている希有な行事です。2月15日ころから入堂が始まり、本格的な法要は3月1〜15日の2週間です。
 修二会の期間中は、別火といって、世間の火を用いず、火打ち石で起こした清浄な火を用いて煮炊きしたものだけを口にするそうです。堂内では、練行衆は、極めて神道的な作法を行うと聞いています。テレビでもよく紹介される達陀の行は、水天と火天の激しいやりとりがあります。
 3月12日には、二月堂の縁を巨大なお松明が駆け抜ける勇壮な様を、テレビなどでもご覧になったことがあると思います。
修二会は、わが国を代表する火の祭であります。

【密教護摩供養】
 
密教系の修法である護摩供は、バラモン教の儀礼「ホーマ」が取り入れられたものと考えられる火の行法です。火の神に供物を捧げる外護摩と、内なる煩悩や業を焼き尽くす内護摩のふたつの意味があるそうです。暗いお堂の中で、読経や太鼓の音を聞きながら、護摩木や油をくべるたびに燃え上がる炎が織りなす光と闇の競演を見ていると、人類が古代から抱いてきた火への恐れと敬意を強く感じます。
【五山の送り火】
 
盂蘭盆会というのは、古代のイラン語の霊魂を意味する「ウルヴァン」だという説が有力だそうですから、やはり拝火教の影響を感じます。護摩供養と同じく、本来は仏教の法会とは無関係であったそうですが、中国において儒教の祖霊崇拝と習合して仏教行事として盛んになったようです。
 夏安居という仏教寺院の夏の合宿のおわりに、近在の人々が飲食を持ち寄って僧に施したことが、施餓鬼などにもつながって先祖供養へと拡大解釈されていったと思われます。わが国では、すでに推古天皇が4月8日と7月15日に斎を設けたとの記録があります。657年には飛鳥寺で盂蘭盆会を行ったとする記録もあるようです。
  お盆の行事で、祖霊をお迎えする迎え火と、お送りする送り火があります。送り火には燈籠流しや精霊流しなども同じものです。京都の五山送り火は、これだけ有名な行事でありながら起源については諸説あり、はっきりしません。平安時代に空海が「大」の字を書いた護摩木を焚いたのが始まりとする説や、足利義政の時代に盛んになったとかいわれていますが、今の形が定着したのが16世紀のころだそうです。
 今では、イベントを企画する人たちの合い言葉は「夜に火を灯すと、人と虫が集まる」だそうで、各地のお寺や観光地では、夜に火を灯すのが大流行です。いまではライトアップも盛んになっています。
 火の祭りは、ますます盛んにあることでしょう。
火によって失われた文化)

 火によって文明は発展し、さまざまな文化もうみだしたことはまちがいありません。しかし、火によって消滅した文化も数えられないほどあります。美術品が失われる最大の原因は、人災と天災ともに火によって失われることが最大の原因と言えます。

【東寺炭化した仏像】
【南大門】

 最近では、韓国ソウル市の南大門の焼失は記憶に新しい所ですが、昭和24年に起こった法隆寺金堂の火災によってみごとな白鳳時代の壁画の大半を失ったことによって、戦後の文化財保護行政が始まったとも言えます。
【法隆寺金堂】【法隆寺金堂壁画】【金堂焼失】【東大寺、興福寺境内】

東大寺境内
 
また、奈良の東大寺や興福寺もたびたび火災によって貴重な文化財遺産が焼失しております。
 平重衡によって、天平時代の貴重な仏像の大半が失われてしまいましたが、そのおかげで運慶、快慶らに代表される素晴らしい鎌倉彫刻が生み出されたのも事実です。
 京都は応仁の乱以降安土桃山時代まで、戦乱に次ぐ戦乱で、なんども全焼の憂き目に逢っていますが、そのたびに不死鳥のようによみがえっています。古代ヒンズー教の、再生・維持・破壊という歴史観がよみがえってきます。
 戦火による破壊は、人類の持つ負の側面といえるでしょう。

 【焚】
廃仏毀釈で、燃やされた仏像
 
もっとむかしには、645年の「大化の改新」、最近は「乙巳の変」というようですが、このときに、蘇我入鹿が暗殺され当時もっとも権勢を振るっていた蘇我氏の館に火が放たれ全焼してしまします。このときに、蘇我氏の館には、日本書紀や古事記以上に匹敵する貴重な古代日本史を記録した書籍や資料があったと想像されますが、それらもともに失われてしまいました。もしもそれらの文書が残されていたら、古代の日本史は、いまとまったく違う様相になっていたと思います。

火が生み出した美術品)

 火が生み出す美術品の代表であり、人類が生み出した最初の美術品ともいえる焼き物をご紹介しましょう。

【土器Pottery】野焼きで700〜900℃で焼成。石器時代から縄文・弥生時代
【土師器】600〜750℃で焼成。弥生土器から中世まで。埴輪も含む。
     近世に「かわらけ」と呼ばれる。

【須恵器】古墳時代。あな釜で1100℃以上で焼成。
【せっ器(火偏に石)Stone ware】
     
1200〜1300℃で焼き締める。
     粘土質に珪酸、鉄を含むため黒または褐色を呈する。
     無釉または自然
【陶器】カオリンを含んだ粘土を1100〜1300℃で焼成。
    釉薬の使用
【磁器Porcelain】粘土質に長石と石英を原料として1300℃以上で焼成。
          半透明、吸水性がない。
・あな窯
・登り窯
・龍窯
・連房式登り窯/江戸時代

陶器;カオリンを含んだ粘土を1100〜1300℃で焼成。釉薬の使用
【唐津や備前、信楽の焼き締め】
粘土質に珪酸、鉄を含むため黒または褐色を呈する。無釉または自然釉
【益子焼、美濃焼、絵唐津】

磁器;Porcekain。粘土質に長石と石英を原料として1300℃以上で焼成。
【有田焼】
半透明、吸水性がない。
あな窯、登り窯、龍窯、連房式登り窯/江戸時代

金属工芸
鋳物を作る鋳造や、刀剣を鍛える鍛造も、火の芸術ですが、これは、またべつの専門家のかたにお譲りしましょう。

【宝珠、刀剣】
美術と言えるかどうかわかりませんが、料理も火とは切っても切れません。火のつく漢字から料理に関係のある字をならべてみました、

【火にまつわる漢字】

燃え方に関する文字;

火の状態;火、炎、焔、

燃え方;燃、焼、焚、灼、爆、炸、燥、炯(ケイ、光り輝く)、煌(コウ、煌めく)、輝(キ、かがやく)、燦、(さんさん)

火が変化した物;煙、烟、煤、炭、畑、

道具としての火;灯、炉、炬(かがり火、たいまつ)、燔(ひもろぎ)、焜、烱、炳(ヘイ、あきらか)、爛、燐、燗、嫺、嫻、熄、燉、燼、燎、熕、煽

調理における火の利用;燃やす、焼く、炙る、焙る、燻す、焦がす、煮る、蒸す、炒める、沸かす、炊く、燗、烙、拷、炮、

美術表現としての火)

仏教における火の表現は、密教系の仏像に集中しています。ゾロアスター教との関係が大きく影響しているように感じます。
密教系の画像から見ていきましょう。
【醍醐寺「五大尊図」】【醍醐寺「不動明王白描図」】【東寺「五大尊図」】【?寺「不動明王と童子像図」】【東寺「火天図」】【神護寺「月天・日天図」】【地獄草子図】【戦記絵巻】

仏像を見ていきましょう
【シヴァ神像】【東寺五大明王全図】【東寺五大明王各図】【東寺愛染明王像】【観心寺如意輪観音像】【金剛峰寺不動明王像】【妙法院阿修羅、夜叉、五部浄天】【東大寺不動明王】【東大寺地蔵菩薩坐像】【金峰山寺蔵王権現像】

西洋美術における火の表現)
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール;16〜17世紀フランスロレーヌ地方の油画家
「大工の聖ヨセフ」「悔い改めるサグラダのマリア」
レンブラント

近代日本の絵画に現れた火の表現)
【速水御舟「炎舞」】



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