籔内佐斗司
NHKエデュケーショナル エグゼクティブプロデューサー・
川瀬和子
展覧会レビュー「拝啓、中村正義さま 籔内佐斗司より」展にあたって
 「籔内佐斗司・中村正義二人展」の事を聞いた時、最初に浮んだのは「え、
何で?」という疑問でした。彫刻家と日本画家、専門分野も異なっているし、年代も離れている。作品の傾向も全然違う。その二人がなぜ、二人展を開くのだろうか。しかし、その理由を籔内さんから伺ううちに、俄然、興味が湧いてきました。二人の心の内にある共通項を掘り起こすことで新鮮な美術番組が出来ないだろうか、という発想から生まれたのが「新日曜美術館・拝啓、中村正義さま〜籔内佐斗司が語る反骨の画家の顔〜」(1999年3月7日放送)でした。
  番組の狙いは、二人の芸術家の魂の響きあいです。籔内さんが、「中村正義
の美術館」を訪ね、「出前の美術館」で小学校の子供たちの感想に聞きいる、そんな形で番組は進行しました。 話題の中心は、200点を超える中村正義の『顔』、籔内さんが語り、中村正義の気持ちはその著書「創造は醜なり」の朗読で紹介する、言わば、生身の籔内さんと彼岸の中村さんの対談です。相手を語ることは、おのずと自分を語ることにもなります。籔内さんは、的確な言葉で中村正義の作品と生き方を語りながら、ご自分の原点をチラリと見せてくださいました。
  中村正義と籔内佐斗司、二人のすぐれた芸術家の新たな魅力をこの番組で発見できたかどうか、志と違ったところもたくさんありましたが、それでもこの番組は、私の最も気に入っているものの一つになりました。本当に、楽しい仕事でした。有難うございました。
NHKエデュケーショナル 新日曜美術館担当
川瀬和子
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